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代理人弁護士が持参した「赤木ファイル」=2021年6月22日午後5時50分、大阪市北区、金居達朗撮影



森友学園問題をめぐる財務省の公文書改ざんで、自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)が改ざんの経緯を記した「赤木ファイル」が開示された。近畿財務局のOBらは、その無念にあらためて思いを寄せた。

「どんなに悔しい思いで記録を残したんだろう」

近畿財務局元職員で俊夫さんと面識もあった喜多徹信さん(72)は、ファイルの内容を聞き、俊夫さんの当時の心境を推し量った。俊夫さんが文書の修正に「強く抗議した」との記述には、「嫌なことは嫌と言う、正義感のある赤木君らしい書き方だな」と話した。

財務省理財局からのメールは、送り主の多くが黒塗りされて開示された。「指示を受けた側の職員たちの名前は出ているのに姑息(こそく)だ」と憤る。

幹部職員の具体的な指示はあまり明らかになっていない。同じく近畿財務局OBの田中朋芳さん(65)は「地方支部局の職員で分かるのはこれが限度だったが、赤木さんはせめて自分の手持ちのものを残そうとしたのではないか。今回の開示をきっかけに、財務省本省や裁判所が、誰がどんな指示をなぜ出したのか明らかにしてほしい」と話した。

(『近畿財務局OB「姑息だ」メールの送り主多くが黒塗り』朝日新聞デジタル)



自民党の世耕弘成参院幹事長は会見で「新事実は出なかった」として、再調査は不要との認識を示した。

ただ、与党内には危機感も根強い。自民党の閣僚経験者は、菅義偉首相が安倍政権の官房長官としてこの問題に対応した経緯を踏まえ、「政権にとってダメージだ」と指摘。「党への風当たりも厳しくなる」と表情を曇らせた。公明党関係者は、河井克行元法相夫妻、菅原一秀前経済産業相に対する司法判断が続く中、「わが党への影響も避けられない」と嘆いた。 

(『野党、赤木ファイルで真相究明要求 与党、衆院選へ影響懸念 公文書改ざん問題』時事通信)



野党側が求める国会質疑について、自民党幹部は「麻生大臣が答弁すると委員会が荒れる。司法の場で対応してもらえばいい」と話していて、慎重な姿勢です。

一方で自民党のベテラン議員が「説明責任と言っていたのはなんだったのか。このままでは自民党のためにならない」と述べているほか、別の閣僚経験者は「財務省や官邸に都合が悪いから黒塗りにして隠すわけだ。これでは完全に信頼を失う」と話していて、政府の姿勢が問われています。

(『“赤木ファイル”に政界は…自民から批判も』日テレNEWS24)



学校法人森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざん問題で、国は経緯を記した「赤木ファイル」を開示したが、財務省は幕引きを狙う姿勢を崩していない。麻生太郎財務相は22日の閣議後記者会見で、再発防止に引き続き全力を挙げる方針を示したものの、「再調査は考えていない」と改めて言明した。

(『改ざん問題、再調査否定 幕引き狙う財務省』時事通信)



麻生)

財務省としてできる限り調査を尽くした結果をお示ししたものであり、再調査を行うことを考えているわけではありません。


(『500ページ超…開示された『赤木ファイル』の内容は』テレ朝news)



国が赤木ファイルを隠していた。

麻生にしても、加藤にしても、世耕にしても、他人事ではないはずだ。

赤木ファイルを出した直後の今の段階で、結果が出てる、と言える神経が信じられない。

結果は変わらない、と決めるのは、あなた方ではない。

赤木雅子さんに対して失礼です、無礼です。

森友学園が土地を買った形にすれば、土地を担保として10億円の融資が入って来る。

それを建築費に回してしまおう、という話だったのだが、本省が特例を承認した時点で、そうした思惑は既に生まれていたはずだ。

キアラ設計も、21億8000万円の見積もりを出していた。


必要だったのは土地を買った形にする事だ。

校舎も出来上がっていなければ、追加融資は入って来ない。

分納契約なら9億3000万円の2割、1億8600万円さえ森友が支払えば、土地の所有権を得る形に出来た。


15年9月4日の時点で、りそな銀行が予約しか出来なかった、とする根拠は、まだ森友学園が土地も校舎も所有していなかったからだ。

この時点で、りそな銀行が20億円超の融資を実行していた、というのは有り得ない。

りそな銀行の自前ではなかったとしても、担保がないのでは、貸しようがなかったはずだ。

ただし融資予約なら簡単に出来た。


完成した校舎を担保として、10億円超の融資予約をしていたとしても不思議ではない。

校舎なら国交省も第一抵当権を付けられなかっただろう。


物の見事に森友学園が資金洗浄のためのダミー会社化されて行った経緯が、よく判る。

嘘をついても許される、と勝手に思い込むのは自由だろう。

しかし、嘘をついても許させる、となると黙ってはいられなくなる。

嘘をつかれて許すか許さないか、は嘘をついた人間が決める事ではない。


139回も虚偽答弁をしたという事は、嘘しか答弁しなかった、という事ではないか。

挙句の果てには、臨時国会も拒否して幕引き、トンズラ。

許せる事と、どうしても許せない事がある。


建築発生土や地下構造物なら、校庭や野田中央第二公園の地下に埋めてしまっても、何も問題とはならない。

問題となったのは、鉛や砒素が浸潤している汚染土だ。

これを場外に廃棄しなければ、形質が変更された事にはならなかった。


15年9月4日の会議で、キアラと中道組は1000トン以上の汚染の可能性を指摘していた。

まだ補助金申請が採択されていない状況で、契約を破棄されたくないキアラは場内処分を提案。

近畿財務局も追認している。

その結果、指定区域に汚染が残存した場合、水質検査の結果、汚染指定は解除されない。


どうなったのかと言えば、指定区域からは1000トン以上の土壌が掘削除去された。

それが1000トン以外、場内に残されたのは、近畿財務局が判るように目印をつけておけ、と中道組に指示した事から判る。

この状況のまま、藤原工業が建築に入る。

実際、新たなゴミがあろうがなかろうが、どちらでも良かった。


要は中道組の土壌改良に疑義が起これば、水質の再検査となる。

ここで場内処分を認めていた近畿財務局が、決定的な苦境に立たされていた事実が判る。


中道としては藤原工業に知らせなかったのか、という言い訳が立つし、藤原工業も知らなかった、という言い訳が立つ。

キアラも松本代表から八木さんに担当者が変わっていた。


中道組は汚染土を「そのままにしておいていいと国から言われた」としているが、汚染区域に「そのまま」にしておいたのなら、目印を付けて判るようにして置く必要もなかったはずだ。

15年9月4日の段階では、国としても有益費を1億3200万円以内に留めるという交換条件で、森友の小学校建築計画を、補助金対象事業として採択したのだろう。

再調査を行う事を考えているわけではありません、ではなくて、考えてもらいたい。

考えていないわけではありません、が普通の日本語だろう。

再調査をする事も考えましたが、するには至りませんでした、ならまだ判る。

再調査を考えているわけではありません、では最初から再調査しない前提で物を言っている、冗談じゃない。

私は再調査をする事も考えなければならないと思ってるんですが、菅さんは全く考えてもいません、という意味だとも理解できる。

となると、

「私としては異論もあるわけですが、政府としては再調査を考えているわけではありません。少しは考えろよ、って話だよな」

とダダ漏れた心の声も聞こえて来る。

改めて再調査しない、とは麻生さん、あなたには血も涙もないんですか。

マスコミに改竄の情報を流す、そんな芸当が出来たのは赤木俊夫さん以外には考えられない。

告発を検察に握り潰され、最後にはジャーナリズムを頼った赤木俊夫さん、天国に向かって正解だった、と伝えてあげたい。

菅が直接にではなく、麻生や世耕に、まず再調査はしない、と言わせる。

ここが菅の上手いところだ。

安倍のように、慌てて自ら再調査はしない、と言ってしまえば、政府の方針が通用しなくなる。

安倍自らが批判の矢面に立たされる結果となっていた。

まず政府の他の面子が、再調査しない、と言えば、そこで再調査しない、が政府の方針となる。

そこが安倍と菅の大きな違いだろう。

が、既に菅は赤木ファイルが公開される前から、再調査はしない、と釘を指している。

政府の方針もへったくれもなかった裏は、既にバレバレだ。

政府の方針に利用された麻生も世耕も、いい面の皮だ。